◆物名(もののな)
→和歌や俳諧で,物の名をそれとなく詠み込むこと。
【問題】次の和歌に入っている鳥の名前はなんでしょう?
来べきほど 時すぎぬれや まちわびて なくなるこゑの 人をとよむる
わかりますか? よ~く見ていると、ほ~ら、あるでしょ?
「ホ~ホケキョ♪」ですよ!
「ホ~ホケキョ♪」ですよ!
来べきほど ときすぎぬれや まちわびて なくなるこゑの 人をとよむる
このように、和歌の意味とは無関係に、こっそりとある物の名前を和歌に詠みこむという、一種のお遊び的な手法ですね。もっと手の込んだものもありますよ!
【問題】次の和歌に5個の楽器名が入っています。なんでしょう?
憂しや憂し 花匂ふ枝に 風かよひ 散りきて人の こととひはせず
何とつらいのだろう。花の美しい枝に風が吹き通い、花びらが散ってきたのに、あなたは訪ねても来ない。
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憂しやうし 花匂ふえだ枝に 風かよひ ちりきて人の こととひはせず
笙(しやう) 笛(ふえ) 篳篥(ひちりき) 琴(琴) 琵琶(ひわ) ですね!
う~む、これだけ読み込むとなると、なかなかの名人ですね!
では、最後に、極め付けを!
では、最後に、極め付けを!
【問題】次の2つの和歌に何が入っていますか?
一夜寝て 憂しとらこそは 思ひけめ 憂き名たつ身ぞ わびしかりける
あなたと一夜を共に寝て、つらいなどとは思っただろうか。つらいと思っているという評判が世間に立つことの方がこの私には何とつらいことだろう。
>生れより 干つじつぐれば 山に去る ひとりいぬるに 人ゐていませ
このような気持ちが生まれて以来、涙を流さないこともないだろうと思いながらも、貴方に恋心を打ち明け、山にこもって一人でおりますので、人を連れてぜひいらっしゃい。
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答えは・・・わかりますね?
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答えは・・・わかりますね?