たとえば、伊勢物語の「東下り」では、「『かきつばた』を用いて歌を詠め」と言われて、次のような和歌を詠みます。
唐衣着つつなれにしつましあれば はるばるきぬる旅をしぞ思ふ
(着なれた衣の褄のように慣れ親しんだ妻が都にいるので、
はるばる遠くに旅に来たことをしみじみ思う。)
これを各句に分けて、その句頭の文字をみてみましょう。
からころも
きつつなれにし
つましあれば
はるばるきぬる
たびをしぞ思ふ
この時代においては、濁点と言う符号はなかったので「は」という清音と「ば」という濁音の区別はありませんから、みごとに各句の頭に「かきつばた」が折り込まれ、都に残した妻を想う和歌となっています。
さらに、この折句の一種で、各句の頭(冠)と、各句の末(沓<くつ>)にある言葉を折り込んだものが沓冠です。
徒然草で有名な吉田兼好と友人の頓阿との間でやり取りされた和歌が有名です。
夜も涼し寝覚めの仮庵手枕も 真袖も秋に隔てなき風 (兼好)
(秋の夜に涼しさで目が覚めると、腕枕した袖の間から冷たい風が吹き込んできました。)
夜も憂し妬たく我が背子果ては来ず なほざりにだに暫し訪ひませ (頓阿)
(秋の夜は長いが、残念なことに君は来なかった。少しでもいいから顔を見せればよかったのに。)
この二人は、何を言っているのでしょか?
よもすずし
ねざめのかりほ
たまくらも
まそでもあきに
へだてなきかぜ
よるもうし
ねたくわがせこ
はてはこず
なほざりにだに
しばしとひませ
兼好は頓阿への和歌で「冠」(各句の頭)は、初句から結句にむかって「よねたまへ」=「米給へ」=「お米を下さい」になります。また「沓」(各句の末)は、結句から初句にむかって「ぜにもなし」=「銭も欲し」=「お金も欲しいです」になります。
一方頓阿は兼好に対する返事の和歌で「冠」(各句の頭)は、初句から結句にむかって「よねはなし」=「米は無し」=「お米はありません」になります。また「沓」(各句の末)は、結句から初句にむかって「ぜにすこし」=「銭少し」=「お金は少しあります」になります。
スゴイ!
歌を詠んで作る方もすごいですが、それを読んで理解する方もスゴイ!
さらに、返事を書くのもスゴイ!
ただの無心(借金)をお願いする手紙ですが、風流ですね♪
By taking an interest in each cake, exceeding the expectations of her clients, she has developed a reputation of going that extra mile, or two! She just delivered a baby shower cake to Pensacola, Florida.
havaianas 2013 http://chineloshavaianas.webpaper.co/