名作案内第9回 「桃夭」

 

 
「桃夭」  
桃之夭夭 桃の夭夭(えうえう)たる
灼灼其華 灼灼(しゃくしゃく)たる其の華
之子于歸 之(こ)の子 于(ゆ)き帰(とつ)がば
宜其室家 其の室家に宜しからん
桃之夭夭 桃の夭夭たる
有蕡其實 蕡(ふん)たる其の実有り
之子于歸 之の子 于き帰がば
宜其家室 其の家室に宜しからん
桃之夭夭 桃の夭夭たる
其葉蓁蓁 其の葉 蓁蓁(しんしん)たり
之子于歸 之の子 于き帰がば
宜其家人 其の家人に宜しからん
桃の若々しく
赤々としたその花
この子は嫁いで行くが
あちらの家にお似合いだ
桃は若々しく
どっさりと実がなる
この子は嫁いで行くが
あちらの家にお似合いだ
赤々としたその花
その葉は生い茂る
この子は嫁いで行くが
あちらの家の人にお似合いだ
真っ赤な桃がみずみずしく実をつけています。
日本ではお花見といえば桜ですが、
中国では、古来、花といえば「桃の花」です。
桃の花が咲き乱れた理想の地、
陶淵明の「桃花源記」でも有名です。
でも、桃の花もいいんですが、
桃の実も美しくかわいいですよね!
緑でつやつやしたその葉も綺麗です!

桃を見ると、この「桃夭」を思い出します。
 

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時習館ゼミナール/高等部
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